見沼代親水公園駅付近の散歩
2008年の4月上旬。開通したばかりの日暮里・舎人ライナーに乗った時の様子です。
この日、始発駅の日暮里駅から乗車して、途中下車を繰り返し、終点の見沼代親水公園駅までたどり着いた。
土器
見沼代親水公園駅ホームから改札口に降りてくると、改札の横にショーケースに展示された土器が目につく。この周辺で出土したものらしい。時代は邪馬台国の女王卑弥呼が活躍していた頃のものだそうだ。はるか悠久の時代を経て現在に至るこれらの土器を目の前に、暫し立ち尽くしてしまった。
ショーケースにはその当時の時代背景などが簡単に説明されていた。軽く目を通してみると、足立区の最初の村は舎人遺跡に作られたという。そしてこの近辺に流れる毛長川が舎人遺跡の人々に食料としての魚介類を供給し、また集落間を結ぶ道としての機能もはたしていたらしい。そして、舎人遺跡の最盛期の7世紀頃には、集落に鍛冶工房が作られ鉄製農具の製作なども行われていたと考えられているという。
見沼代親水公園駅西口
西口を出ると駅前にはちょっとしたロータリーになっており路線バスが発着していた。できたての駅特有の周囲がガラ-ンとした感じが駅の真新しさを物語っているようだ。
さて、駅名にもなっている見沼代親水公園に行くとするか。
見沼代親水公園
見沼代親水公園は駅の目の前だった。今週末が桜の最後の見頃だろう。小川にかかった桜の木からは桜の花びらが、ゆらゆらと散り落ちていた。
毛長緑道
となりに毛長緑道なる遊歩道があったので最初にそちらを散策してみることにした。
歩道の距離は短かったが適度に木陰ができた散歩道だった。
毛長川
毛長力道は毛長川に突き当たっていた。川面には散り落ちた桜の葉がたくさん浮かんでいた。
見沼代親水公園水生植物園ゾーン
小川に水草が植えられており水生植物を観賞できる。小川には鯉がゆったりと泳ぐ姿がみられた。
水生植物園ゾーンに植えられている水草
ハナショウブ、カキツバタ、セキショウ、クロモ、ヒツジクサ、トクサ、セキショウモ、ミズオオバコが植えられているらしい。ていねいに観ないで、足早に通り過ぎてしまった。今度来たときはゆとりを持って観賞してみたいものだ。
浄化施設
見沼代親水公園の小川には浄化施設が備えられていた。上流からくる汚れた水をきれいにして公園に流しているのだそうだ。
その後、毛長川沿いを少し歩いた。川沿いの歩道の桜並木は満開だった。
歩道を桜を眺めながら歩いた。どの辺まで続いているのだろう。歩きつかれたので頃合を見て引き返した。
舎人氷川神社
見沼代親水公園駅からすぐのところに舎人氷川神社があった。来る時に日暮里駅でもらった日暮里・舎人ライナー沿線マップによれば1200年、鎌倉時代初期の創建だという。
鳥居をくぐり境内に入ってみると周辺地域の自治体の人らしい人々が集まっていた。舎人ライナー開通で地元民も沸いているのであることは見て察しがつく。なにせ長年待ちわびた待望の開通なのであるから、沿線住民の思い入れも相当なものなのであろう。
境内を少し歩き、神話を題材にとったという彫刻をみて神社を後にした。帰り際、駅前のコンビニで紅茶を買い、店の軒先で飲んだ。観光の混雑を見越してかコンビニの軒先にはベンチが親切に用意され、鉄道マニア風の人から子供連れのファミリーまで多くの観光客が弁当などを食べながら疲れを癒していた。
帰宅後、風呂に入り食事をとった後、日暮里駅でもらった、『あだち広報 日暮里・舎人ライナー特集号』を静かな部屋の中で目を通した。誌面には足立区長の言葉をはじめ、数々の開業イベントの案内などが載っていた。足立区民とくに足立区西部の住民には悲願とも言える開通の喜びが伝わってくる。
同じく日暮里駅で配布されていた沿線マップ。